どうも、こんにちは。
幹細胞番長です。
今日は僕の脳内同居人の悪性新生物グリオーマちゃんを紹介しようと思います。
新生物
がんは悪性新生物とも呼ばれます。
遺伝子が変異してしまい、元のヒトとは異なるゲノムを持っているために別の生物ということで新生物という名前がつけられているんだと想像しています。
言ってしまえば僕の場合、脳内に新種の生物を飼っている状態です。
僕の場合は、中枢神経系のグリア細胞が腫瘍化するグリオーマという脳腫瘍の中ではメジャーな腫瘍なのですが、コイツの困った点は正常な脳細胞の中にも入り込んでしまうことです。
手術で取るには正常な脳細胞ごと切り取らないといけません。
僕の場合、グリオーマちゃんが脳梁という切り取ったら廃人になっちゃうようなところまで入り込んでしまっているので、手術では取れません。
抗がん剤では消えてくれない
悪性脳腫瘍の場合、抗がん剤ももちろん使うのですが、脳には脳血液関門(Blood-brain barrier、BBB)があるために分子量の大きな抗がん剤は使えません。
今のところ、グリオーマの治療用に使える抗がん剤は一種類しかなく、効き目も弱いのでがん細胞を根絶するほどの効果はありません。
進行を遅らせて延命することができるのはデータでも確認されていますが、この抗がん剤で腫瘍が消失したという症例は見つけられませんでした。
弱い抗がん剤だったお陰での副作用は便秘くらいしかありませんでしたが。
現在、抗がん剤は完全にやめている状態で、やめてからもうそろそろ1年になります。
今のところ、全く進行しているような所見はないので、経過観察ということになっています。
グリオーマの新しい治療法も出てきているんですが、今のところその治療を受ける予定はないです。
ちょっと頭の足りない新生物
脳内の同居人グリオーマちゃんはエサ(栄養)を僕の血液から分けてもらっている状態なので、文字通り僕に飼われています。
がん全般に言えることですが、がんという生き物は栄養素を飼い主に依存しているにも関わらず、際限なく増殖して飼い主を殺してしまうお馬鹿さんです。
飼い主が死ねば、自分がエサをもらえなくなるとも知らずに。
脳内ペット
当面は餌付けし、なだめすかしながら、グリオーマちゃんが暴れないように仲良く生活していくしかないです。
新生物とのリアル脳内同居生活は続きます。
グリオーマちゃんの機嫌の取り方
3年以上同居してきたおかげで機嫌の取り方はかなり分かってきました。
抗てんかん薬を飲み忘れなければ、基本的にてんかん発作は起きなくなってきてはいるんですが、グリオーマちゃんの機嫌を損ねると発作で大変な目に遭うので、常に同居人の機嫌を伺いながら生活しています。
暑すぎる
暑くて、血流が良くなりすぎるのはダメです。
今年の夏は異常に暑かったので、8月は少し外で活動しただけでもダメでした。
5~7月は全く発作がなかったのに8月だけで2回あったので、暑い時はクーラーのきいた室内にいないとダメです。
首元を温める
夏はそもそもの気温が高いので危険なのは当たり前なんですが、冬は冬でいろんなところに危険が潜んでいます。
首を暖めるとモロに脳の血流量が増えるので危険です。
先日、セラゼムというAI鍼灸マッサージ器に乗っていて、プログラム終了後にそのまま気持ちよくなって寝てしまって、久しぶりにかなり酷い発作が起こりました。
完全に左半身の感覚がなくなって、痙攣が治まった後もしばらくは全く動かず感覚もない状態で自分の左腕と左足が胴体についてるのか分からない状態が数分続きました。
プログラムが終了した後は、熱々のローラーが首の位置で止まってしまうので、それで脳の血流が良くなりすぎたんだと思います。
服選びは慎重に
退院してすぐに首を完全に覆ってしまうタートルネックを着ると屋外では快適でも暖房の入った室内だと首周りの温度調節ができず、発作に繋がりやすくなってしまうので、タートルネックは早々に禁止にしてたんですが、暖房の設定次第ではハイネックも危険だということを先日受けたTOEICの会場で思い知らされました。
最後の方はいつ発作が起こるかドキドキで試験どころではありませんでした。
これからは冬もインナーはクルーネックかヘンリーネックのような首元が涼しいタイプにすることに決めました。
いろいろ気をつけないといけないことはあるけど、生活に大きな支障はない
マヒは幹細胞治療でほとんど分からないくらいまでよくなりました。
しかし、てんかんは相変わらずで、上のように気をつけていないとすぐぶっ倒れます。
グリオーマちゃんが脳内から消え去ってくれた方が生活はしやすくなるんですが、それは奇跡みたいなものなのであまり期待はしていません。
寿命が来るまで大人しくしててくれれば、それで十分
くらいの心持ちでいます。
田舎に住んでると
P.S. ストレスが多いと乳がんになりやすい?
「ストレスが多いと乳がんになりやすい」という話を耳にしたんですが、これは乳がんに限らずがん全般に言えることです。
ストレスがかかると免疫系が抑制されるので、がん細胞が免疫をすり抜けて増殖してしまう確立は上がります。
細胞分裂の際、DNA複製にエラーが起こることはどうしても防げないので、がん細胞が発生することはどうしようもないです。
一説によると
健康なヒトでも1日あたり5000個のがん細胞が発生している
と言われています。
それでもヒトががんにならないのは、免疫細胞が日々体中をパトロールし、がん細胞を見つけてはやっつけているからです。
様々なストレスに気をつけることでがん細胞が成長して病気としてのがんになる確立を下げることはできますが、多細胞生物である限りどんなに気をつけていてもがんになる確立をゼロにすることはできません。
定期的に検診を受けましょう。
僕は人間ドックは受けていたんですが、脳ドックまでは受けていませんでした。
そのために、腫瘍は見落とされていました。
検査を受けるのはお金はかかりますが、病気になってから手術や治療を受けるのに比べれば、検査の方が圧倒的に安いです。